暮らし

待つのは、むずかしい ―― パンと相場のこと

むつこ

パンを焼くようになったのは、五十肩がきっかけでした。腕が思うように上がらなくて、生地をこねるのがつらくなったのです。それでいろいろ調べて、こねなくても焼ける「サワードウ」というパンにたどり着きました。

ちょうどそのころ、投資も始めたばかりでした。今になって思えば、この二つを同じ時期に始めたことには、わたしにとって少し意味があったように思います。

待つのが、いちばん難しい

サワードウは、種(たね)を育てるところから始まります。これが、なかなか思うようになりません。種は生きているので、毎日かまってやらないと、すぐに元気をなくしてしまう。冬は冷えすぎないように暖かいところへ。夏は反対に、冷蔵庫を出したり入れたりして、様子を見る。こちらの都合では、まったく動いてくれません。

投資を始めたばかりのころも、よく似た落ち着かなさがありました。値動きは、こちらの思いどおりにはなりません。「ここだ」と思っても、たいてい先回りはできない。いい時が来るのを、ただ待つしかないのです。

でも、この「待つ」が、本当に難しい。何もしていないと不安になって、つい手を出したくなる。種も相場も、急かしたところで、何ひとつ良いことはないのに、です。

辛抱と観察と気配り

何年か付き合ってみて、ようやく分かってきたことがあります。パンも相場も、けっきょくは、辛抱と観察と気配りなのだ、ということです。

よく見て、今どんな状態かを知る。手をかけるところと、そっとしておくところを、間違えない。そして、向こうの時間を、こちらの都合で早めようとしない。

急かさないというのは、何もしないこととは違います。見ているけれど、動かない。これがいちばん難しくて、いちばん大事なところでした。

どちらも、生きている

うまくふくらまなかった日もあります。思うようにいかなかった週もありました。それでも、簡単にあきらめる気にはなれません。生き物だから、でしょうか。だめだったところを少し直して、また次を待つ。その繰り返しです。

相場も、同じだなと思います。

パンも、相場も、どちらも生きている。だから、こちらが辛抱して、よく見て、気を配るしかない。8年たった今も、わたしはそれを、台所と画面の前で、毎日ならっています。

※これはわたしの感じ方で、人にすすめるものではありません。

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むつこ
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60代主婦、老後資金を自分で増やしてます
60代の主婦、むつこです。夫と猫のめめと暮らしています。投資を始めて8年。最初の年に資産の3分の1を失い、そこから少しずつ学んできました。銘柄のおすすめはしません。60代主婦が実際にどう考えてどうしたかを、毎週日曜、正直に記録しています。 ※画像はプライバシー保護のため、イメージを使っています。
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