相場を見ない日のクッキー
猫の「めめ」とのなれそめ
むつこ
めめがうちに来たのは、今から16年前のことです。
まだ子猫だっためめを海岸で見つけた知人が保護して、わたしに声をかけてくれました。わたし自身は子どものころからずっと猫と暮らしてきたので、その話を聞いて、迷わず「引き取ります」と返事をしました。

連れてこられためめは、推定で生後2、3か月。とても小さいうえに、しばらく何も食べていなかったようで、見るからに弱っていました。まずは病院で検査をしてもらうと、さいわい大きな病気はなく、健康だとわかりました。ほっとして、その足で家に連れて帰りました。
不思議なもので、めめは我が家に来たその日から、当たり前のような顔でわたしのベッドで眠るようになりました。あんなに小さくて心細かったはずなのに、もう自分の居場所はここだと決めてしまったようでした。

食欲もしっかりあって、トイレもすぐに覚えて、本当に育てやすい子でした。これまで一緒に暮らしたどの猫よりも、手がかかりませんでした。
ただ、ひとつだけ昔から変わらないところがあります。家族にはすり寄って甘えてくるのに、知らない人が家に来ると、すっと気配を消して、どこかへ隠れてしまうのです。お客さんに「猫、いるんですか?」と驚かれることもあるほどです。この警戒心の強さは、小さいころからまったく変わりません。
その小さかっためめも、今では人間でいうとおばあちゃんです。気づけば、わたしの暮らしのいちばんそばに、ずっとめめがいました。

これまで大きな病気もせず、いつも元気でいてくれたことが、何よりありがたく思います。欲を言えばきりがありませんが、これからも長く、元気で、となりで丸くなっていてくれたら――今はただ、それだけを願っています。
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