からだと暮らし

緑内障と言われた帰り道に、眼鏡を選んだ

さわ

最近、もともとの近眼がさらに進んだ気がして、眼科に行ってきました。

いろいろな検査をしてもらったところ、眼圧が高いと言われました。

おそらく緑内障だろうとのことで、追加の検査をしてから確定診断をつけましょう、という話になりました。

三日後、改めて眼圧と視野の検査を受けました。
そして、緑内障との診断がつきました。

少し肩を落としている私に、先生は言いました。

「遺伝もあるからね」

考えてみれば、母も緑内障です。
まったく意外でもなく、どこかで覚悟していた部分もありました。

そうか、やっぱりそうだったか。

その場では、落ち込んでも仕方ないと思いました。
受け入れたというより、受け入れるしかない、という感じだったかもしれません。

とはいえ、怖くないと言えば嘘になります。
緑内障は、進めば見え方に影響が出る病気です。
この先どうなるのかを考えると、気持ちは重くなります。

でも、先生が言いました。

「今見つかってよかったじゃない」

たしかに、そうなのだと思います。
今わかったから、これから見ていくことができる。
そう受け取るしかありません。

その日は、合わなくなった眼鏡を作り直すための処方箋も出してもらいました。
そして、クリニックからの帰り道で眼鏡屋さんに寄りました。

眼鏡は、人と会った時の印象を大きく左右します。
せっかくなら、グレイヘアに合うカラフルなフレームにしたいと思っていました。

ところが、そのお店には無難な色のものが多く、思っていたようなフレームがなかなか見つかりません。

その時、店員さんからこんなことを言われました。

「フレームは無難な色でも、レンズに少し色を付けることで個性が出ますよ。紫外線予防にもなりますし、おすすめです」

なるほど、その手があったかと思いました。

そこから、すぐにレンズの色を選び始めました。
決めたのは、濃いグレーのフレームに、少し茶色がかったレンズです。

結局その日は、眼鏡のほかに度付きのサングラスも注文して、出来上がりの連絡を待つことになりました。

その時点で、緑内障のことは、頭のいちばん上から少し下がっていました。
新しい眼鏡とサングラスをかけて出かける日のことを考えていたのです。

数日後、出来上がった眼鏡をかけた私を見て、夫が言いました。

「お、いいね。似合うよ」

少し地味すぎたかなと迷っていた気持ちが、そのひと言でふっと軽くなりました。

ついでに、サングラスをかけたところも見てもらいました。
すると今度は、

「ちょっと迫力あるおばさんに見えるかも」

と笑いました。

ほめられると思っていたので、少しむっとしました。

それを見た夫が、すかさず「冗談だよ」と言い直し、今度はちゃんとほめてくれました。

そんな取るに足らないやり取りをしていると、緑内障の気の重さも、少し軽くなってしまうから不思議です。

考えてみれば、年も年です。
この先も、体の不都合は少しずつ増えていくのだと思います。

そのたびに、ちゃんと落ち込む日もあるでしょう。
平気なふりをしても、やっぱり怖いものは怖いです。

それでも、診断を受けた帰り道に眼鏡を選び、家に帰って夫に見せて、少しむっとしたり笑ったりする。

そういう小さな日常に、思っている以上に助けられているのかもしれません。

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整わない暮らしを少しずつ育てています
60代。夫と猫と暮らしています。 台所、朝ごはん、英語学習、家族のこと、年齢を重ねてからの暮らしを、気取らずに書いています。 理想通りには整わないけれど、それなりに手を入れながら続いている日々の記録です。
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