負けを消してから、利を伸ばす ―― 確定損益がなめらかな理由
このブログでは、これから2枚のグラフをときどき載せていこうと思っています。1枚は「確定した損益」、もう1枚は「総資産」です。先に見てもらうと、確定損益のほうはなめらかに増えていて、総資産のほうは細かく上下しています。同じわたしの記録なのに、形がちがいます。なぜちがうのか、その理由を書いておきたいと思いました。
わたしには、買ったときに決めていることがあります。「ここまで下がったら手放す」という、負けの上限を先に決めておくことです。買う前から、いくらまでなら負けても受け入れられるかを、自分で決めておきます。
そして、運よく利が乗ってきたら、その線を買った値段まで引き上げます。そうしておけば、もしそのあと下がって手放すことになっても、損は出ません。買った値段で戻ってくるだけです。
負けをいったん消してから、利を伸ばす。これがわたしのやり方です。だから確定した損益には、大きな負けの記録があまり残りません。グラフがなめらかに見えるのは、勝ち続けているからではなく、負けを小さく消しているからです。これが正解だと言いたいわけではありません。わたしはこうしている、という話です。
この線を買った値段まで動かしたあとは、気持ちが少し軽くなります。そこから先は、あわてずに、利が伸びるのを待つだけです。守りを先に固めておくことが、わたしには、いちばん落ち着いて待てる方法でした。

ここで、いちばん大事なことを正直に書きます。この守り方がうまくいくのは、そもそも「耐えられそうなもの」を選んで買っているからです。
買うのは、その時の「テーマ」――いちばん注目を集めている大きな流れ――に沿ったものです。そして、流動性が高い、つまりいつでも売り買いできるもの。買うタイミングも選びます。株価がいったん下がった「押し目」を待ち、下がったから買うのではなく、需給のバランスが悪くないかを確かめてから、ようやく買います。こうした前さばき――何を選ぶか、いつ買うか――があって、はじめて「少し下がっても、もう少し待ってみよう」と思えます。
逆に、選び方をまちがえたまま、ただ耐えるのが、いちばんこわいことです。下がり続けるものを「待てば戻るはず」と思い込んで抱え続けると、戻らないまま、大きな損になってしまいます。ですから、もう回復は難しいと判断したときは、決めていた線を待たずに手放します。耐えるのは、選び方と買うタイミングに納得できているときだけです。銘柄の選び方や、買うタイミングそのものは、また別の回でゆっくり書きます。
では、値動きのでこぼこは、どこへ消えるのでしょうか。総資産のほうに出ます。
確定損益がなめらかなのは、日々の上下を「含み損」というかたちで、いったん抱えているからです。すぐに確定で受け止めない代わりに、しばらく持ちこたえている時期があります。だから総資産は、増えたり減ったりします。半年という長さで見れば右肩上がりでも、一日ずつ見れば、上がる日もあれば下がる日もあります。
これは弱点ではありません。なめらかさの裏側です。2枚のグラフは、同じやり方を表と裏から見ているだけなのです。

確定損益がきれいに見えても、それは「いつも勝っている」という意味ではありません。負けを小さく消して、変動は総資産のほうで抱えている。ただ、それだけのことです。
これはあくまでわたしのルールで、人にすすめるものではありません。「儲かる」と約束できるものでも、もちろんありません。それでも、形のちがう2枚のグラフが、同じ場所から生まれている理由が伝わったなら、うれしく思います。
関連記事
この記事を読んだ人におすすめ
